農地の保護
ねえねえ、魔理沙。
こんなニュースがあったけど、これってどういうこと?
ああ、通常は農地を取得するには農家であることと、
売買のうちは5000㎡以上あることが前提なのぜ。
なんでそんなことになってるの?
農地は国の食料政策のために重要なので保護されている。
だから勝手に他のことに利用されないようになってるのぜ。
あーね。
じゃあなぜこんな施策をしてるの?
農地政策が厳格すぎるので、地方の農地が耕作放棄地になったりして、
荒廃していってるから、少しでもそれを減らしたいということなんだぜ。
耕作面積1平方メートルでも売買可 農地付き空き家の取引拡大
農地の保護は何のため?
農地は国の食料政策のために重要なものなので保護されています。
なので農地は原則的に農家しか買えませんし、その農地も5000㎡(5a:5アール=0.5ha)とされています。
農地はそれ単独では十分な農業ができないからです。
灌漑(水)や施肥、農薬散布のことを考えると効率的農業のための一定の面積があります。
耕作放棄地の増大
しかし、近年農業従事者の高齢化、後継者減少などで耕作放棄地が増えています。
耕作放棄地は雑草の繁茂、害虫発生、灌漑用水路の断絶など周囲の農地にも悪影響があります。
農業離脱=空き家増大
農業従事者が途絶えるとその農地に関しては耕作放棄地となるばかりでなく、その住宅が空き家と化します。
空き家の増加は近年問題になっており、犯罪の温床、放火の恐れ、害虫・害獣の発生にもつながってます。
それらが農業政策と空き家対策の共同の利害として一致しました。
農地取引の最低地積の緩和
空き家問題と耕作放棄地問題の利害が合致したんだね。
そうそう。なので空き家バンクに登録された農地付き住宅というのを条件に、
農地取引の最低面積の規制を外したんだ。
そうなんだね。
どの程度緩和したの?
国は具体的な数値を決めず、「10アール未満も可能」とだけ説明して、
実際の数値決定は市町村にブン投げたのぜ。
ああ、だから市町村によっては「1㎡以上」なんて、
ないも同然の数値を設定するところが出てきたんだね。
地方は地方交付税を減らされ、ふるさと納税なんていう
バトルロワイヤルにぶち込まれたので金がない。
なので住民誘致のために国の想定外のことを
するところが出てきたのは当然の流れだ。
そんなことでホントに良いの?
それはわからないが、本来必要かどうかによって行われるべき行政に
採算ベースの考えが入ってきた時点で、モラルハザードのような今回の事態は
十分想定されたはずだ。
そうだね。土地取引の需給だけで物事が決まるなら、
農地保護のような政策はいらないよね。
本来規制は必要最低限であるべきだが、
ジャマだからと言って何でもかんでも緩和すべきでない。
なんでそういった規制があるのかをもう一度考えてみるべきだな。
引用元記事
耕作面積1平方メートルでも売買可 農地付き空き家の取引拡大(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20211219khn000016.html?fbclid=IwAR1lSskEtRH-7C9lsfBWGjVezuU9F2DZYbBVX3nTh-xIaF6Nyilr_ashx40
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